富山県高岡市 三協立山株式会社 三協マテリアル社様前段取りのデジタル化、測定機管理のDX化がもたらした変革とは
導入機種:CNC三次元測定機「CRYSTA-Apex V9106」、自動測定プログラム生成ソフトウェア「MiCAT Planner」、モニタリングサービス「アルティメット契約」

三協立山株式会社 三協マテリアル社様(以下、三協マテリアル)は、アルミニウム・マグネシウムの形材押出や加工を強みとしており、他には見られない一貫生産体制でさまざまな製品を製造しています。今回は、同社が「納期対応力」を底上げするために取り組んだ、三次元測定機用パートプログラム作成のデジタル化・メンテナンス体制のDX化事例をご紹介します。
本事例のポイント
- 「納期対応力」により、顧客から大きな信頼を得ている
- 納期対応力向上を阻む、パートプログラム作成の属人化と有事の稼働停止リスクが課題に
- 新たなCNC三次元測定機に加えて、パートプログラムの自動生成ソフトウェアと測定機のモニタリングサービスを導入し、「納期対応力」の底上げを実現
本事例の要約
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課題・背景
- 特殊な製品の寸法検査や金型測定に三次元測定機が不可欠な中、ベテランでもパートプログラム作成に半日から1日を要する上、作成中は既存製品の検査ができない問題があった
- プログラムを作成できる人材の属人化や高齢化に加え、万が一測定機が故障して稼働が停止した際に製品が出荷できなくなり、強みである「納期対応力」に影響を及ぼすリスクを抱えていた
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導入内容・解決策
- 既存の測定プログラムと互換性があり、高い測定精度を持つCNC三次元測定機「CRYSTA-Apex V9106」を後継機として導入
- 3D CADデータから自動でプログラムを生成するソフトウェア「MICAT Planner」と、遠隔で測定機の稼働状況を監視し故障時の修理も含む保守サービス「アルティメット契約」を合わせて採用
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効果・展望
- パートプログラムが視覚化され自動生成できるようになったことで、未経験の若手社員への技術継承と作成工数の大幅な短縮に成功
- アルティメット契約による早期不具合検知や令和6年能登半島地震の際の迅速な精度確認により、製品出荷の遅延リスクが大幅に低減
お客様の事業
アルミニウムやマグネシウムの鋳造・形材押出・加工が強み
三協マテリアルは、大手アルミ建材メーカー「三協立山株式会社」の社内カンパニーのひとつで、アルミニウムやマグネシウムの鋳造(ビレット製造)・形材押出・加工を主力事業としています。合金開発から物流、販売までを担い、アルミサッシなどの建材から電気機器や産業機械、精密機械、輸送機器まで、幅広い分野に多くの製品を届けています。
三協マテリアルが押出した形材製品
キーワードは「納期対応力」
「三協マテリアルの強みは、何と言っても『納期対応力』です」と、生産統括室 射水工場 品質管理課 米花課長は語ります。同社は、大量受注があった場合も高品質な商品を納期厳守し顧客に届けることをミッションとしており、顧客から大きな信頼を得ています。納期対応力を維持するには、品質を担保した上で製造や検査の効率を上げることが重要です。同社はこれを実現すべく、押出3工場ではJIS認証を取得、その内1工場では自動車向け国際規格であるIATF16949を取得するなど品質面を保証しつつ、日々さまざまな努力を続けておられます。
生産統括室 射水工場 品質管理課 課長
(兼JIS品質管理責任者) 米花 英士 様
導入前の課題
納期対応力向上を阻む、パートプログラム作成の属人化と有事の稼働停止リスク
三協マテリアルの射水工場では、非常に高い精度が要求される製品や、形状や強度的に実現が難しいと判断された製品の立ち上げ・量産化に力を入れています。これらの特殊な製品の寸法検査と押出金型の高精度測定に必要不可欠なのが、「三次元測定機」です。三次元測定機を使用することで、量産化に向けた課題解決や量産化後の品質保証などが可能となります。
射水工場では、2005年に導入したミツトヨ製CNC三次元測定機「CRYSTA-Apex C9106」の保守期間終了が近づいてきたため買い替えを検討することになりました。しかし、米花課長は、「新機種を導入するためには現状の課題を解決し、納期対応力をもう一段底上げする何かが必要だと感じていた」と言います。
複雑な製品の量産化への課題解決や、品質保証のために必要不可欠な三次元測定機
1つ目の課題は、パートプログラムの作成に関するものです。三協マテリアルでは2023年当時、三次元測定機のパートプログラムを作成できる担当者が2人でした。さらに、担当者のうち1人は定年退職間近という状況だったため、パートプログラム作成の担当者を早急に増やす必要がありました。また、パートプログラムの作成や動作確認に時間がかる点も課題でした。三次元測定機で検査する製品は複雑な形状のものも多く、ベテランの検査担当者でも、ティーチングによるパートプログラム作成には半日~1日程度かかっていました。さらに、パートプログラム作成中は三次元測定機で既存の製品の検査ができない事も課題でした。
2つ目の課題は、測定機のメンテナンス体制・故障時対応で、「検討の余地があった」と米花課長は言います。アクシデントによって三次元測定機が停止すると製品が出荷できなくなるので、「壊れないように定期的にメンテナンスする体制」や「壊れてもすぐに修理できる体制」を構築するのは非常に重要です。三協マテリアルでは、複数工場で同じミツトヨの三次元測定機を使用することで、ある工場の測定機が壊れても別の工場で測定を行うBCP対策を講じていました。しかし、この方法では測定サンプルの運搬時間や検査キャパシティの問題などもあり、納期に影響が出る可能性がありました。
「納期対応力を強化するため、もっとできることがあるはず」そう考えた米花課長は、三次元測定機の他に新たに導入できる施策はないかと悩まれていました。
導入いただいた商品
新たな三次元測定機とともに、パートプログラムの自動生成ソフトウェア
「MiCAT Planner」と測定機の稼働状況・精度監視サービス「アルティメット契約」を導入
後継機として2023年5月にご導入いただいたのが、ミツトヨ製CNC三次元測定機「CRYSTA-Apex V9106」です。新機種は、以前の機種と使い勝手が同じで互換性があり、既存のパートプログラムを移行できる点が導入の決め手でした。また、他メーカーの測定機より精度が高い点も重要なポイントでした。
そして今回、納期対応力を強化するため、三次元測定機とともに新たなソフトウェアと保守サービスをご導入いただきました。
新たに導入された「CRYSTA-Apex V9106」
今回導入されたのは、三次元測定機用自動測定プログラム生成ソフトウェア「MiCAT Planner」です。本ソフトウェアを使えば、三次元測定機の測定プログラムを全自動で生成できます。3D CADデータと公差情報を利用してオフラインでパートプログラムを自動生成できるため、パートプログラム作成のために三次元測定機を占有する必要がなく、既存製品の測定と、新規製品のパートプログラム作成を並行して進めることができます。また、シンプルな画面構成のため直感的に操作を行え、パートプログラムのシミュレーション機能によってパートプログラムが可視化されるため初心者でも抵抗なく操作していただけます。
MiCAT Plannerの操作画面
続いて、保守サービス契約として「アルティメット契約」を締結しました。本契約は、測定機の精度検査から故障対応、モニタリングまでを全てミツトヨに任せられる究極の保守サービスです。特に注目すべきは、測定機の稼働状況をミツトヨが遠隔監視し、少しでも異常が発生したらすぐにサポートが受けられる点です。ミツトヨが監視するのは測定機本体の稼働データと精度データのみで、機密情報である測定データはミツトヨ側に送信されないため、安心して導入を決めていただけました。日常点検により、精度の経時変化にも迅速に対応でき、常に正常な状態で測定機を使えるようになります。また、故障時の修理や部品交換も契約に含まれています。これらが、導入の大きな決め手となりました。
アルティメット契約のデモ画面
導入後の成果
期待通りの効果。そして思わぬ効果も
今回導入されたCNC三次元測定機「CRYSTA-Apex V9106」は、前機種より測定精度、スピード等々が向上した新機種です。そのため、複雑な製品もより効率的、高精度に検査できるようになりました。また、「ミツトヨの商品は壊れにくいので安心感がある」といった評価もいただきました。
パートプログラムの作成は、未経験だったはずなのに・・・。
MiCAT Planner、その導入効果は、いかに!
生産統括室 形材生産技術部形材初期流動課 牧野 陽平 様
生産統括室 形材生産技術部 押出技術課 岡田 百人 様
パートプログラムを作成できる人材が限られていたという課題に関しては、パートプログラムの自動生成ソフトウェア「MiCAT Planner」を導入した結果、新たに若手社員2人がパートプログラムを作成できるようになりました。その1人である入社4年目の牧野様は、「パートプログラム作成には苦手意識を感じていましたが、MiCAT PlannerならCADデータを元にワンクリックでパートプログラムが生成されますし、プローブの動きも可視化でき、パートプログラム作成の敷居がかなり下がったと感じました」と語ってくださいました。同じく入社8年目の岡田様も、MiCAT Plannerの使い勝手に非常に満足されたと言います。「MiCAT Planner上でパートプログラム作成が全て見える化されているため、非常に分かりやすいと思います。測定機を動かすためのルールを自動化することで、パートプログラムの生成工数を大幅に短縮できました」。また米花課長は、「3D CADデータさえあればオフラインでパートプログラムを作成できるので、現物合わせが不要になったのも大きいですね。かなり効率化が進みました」と話してくださいました。
今後はMiCAT Plannerによって若手を含めたパートプログラム作成者をどんどん増やし、さらに盤石な検査体制を築きたいとのことです。
見守られているような安心感。そして、その時が来た。
アルティメット契約によって、「ミツトヨさんが常に測定機の状況をモニタリングしてくださっているので、非常に安心感があります。故障時の補償もついており、先日も測定機の不具合を早期に検知して対応してくださいました。また、災害対応もしっかりしているため、測定機に異常がなければ災害後もすぐに再稼働できると見込んでいます。実際に令和6年能登半島地震で工場が被災した際、精度異常がないか早期に確認して頂き、検査の遅延なく製品を出荷できました。この契約により、想定されるリスクを大幅に低減できるでしょう。こんなに手厚いサービスは他にはないですね。まるで『保険』のようです」と米花課長は語ります。
MiCAT Plannerによる検査体制の強化と、アルティメット契約による測定機の安定稼働保証がそろったことで、三協マテリアルの納期対応力は着実に向上しました。
新しい三次元測定機は前機種と使い勝手が同じなので、安心して使えている
今後の取り組み
加工技術や研究開発力を生かして、世の中の高度なニーズに応え続けたい
社会の発展に伴い、アルミニウム・マグネシウムの押出形材に関するニーズはますます多様化・高度化しています。三協マテリアルでも、三次元測定機を使うような複雑な製品の開発・販売が拡大していることから、三次元測定機の検査・メンテナンス体制をさらに整備していく予定です。「若い人材を含め、パートプログラムの作成人員をさらに育成・増強するなどして、新規受注品の迅速な立ち上げや納期短縮を目指したい」と米花課長は意気込みを語ってくださいました。
三協マテリアルの米花課長(中央)、 岡田様(左)、 牧野様(右)
多彩な加工技術や研究開発力、そしてミツトヨ商品の導入により底上げされた納期対応力を生かして、三協マテリアルは今後も多くの素晴らしい製品を世に送り出されることでしょう。
お客様プロフィール
三協立山株式会社 三協マテリアル社様
三協マテリアルは、大手アルミ建材メーカー「三協立山株式会社」の社内カンパニーのひとつで、アルミニウムやマグネシウムの鋳造(ビレット製造)・形材押出・加工を主力事業としています。合金開発から物流、販売までを担いし、アルミサッシなどの建材から電気機器や産業機械、精密機械、輸送機器まで、幅広い分野に多くの製品を届けています。
| 所在地 | 富山県高岡市北島851 |
|---|---|
| 設立 | 1960年6月20日 |
| 事業内容 | アルミニウムおよびマグネシウムの鋳造・押出・加工ならびにその販売 |
| URL | https://material.st-grp.co.jp/ |
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